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木に生るコラム

4.ボランティアと障害者と自己満足と

 基本的には、何をするにしても、結果について自分で満足できるものなら、まわりになんと言われようとも、それはそれでいいのだと思う。特にボランティア(的精神)なんかを語る場合には、この自己満足は大切だ。世渡り上手を自認する人になんと言われようと、わが道を行けばいい。ただ、ときに自己満足は「ひとりよがり」と呼ばれることとも紙一重になる場合もある。

 先日、メールでこんなニュースを読んだ。
 ある映画監督が、神戸での大震災の際、現地で車いすに乗った障害者が盛んに連絡を取り合っているのを見た。何かと思えば、脳性麻痺で重度の障害者が家庭や施設を出て介助者を利用しながら独居している、その安否を確認しているのだという。なぜ家庭や施設を出たがるのか、不思議に思った監督が調べてみると、「脳性麻痺は50歳までしか生きられない」という通説があり、それが彼らの背中を押して一人で生活するという「自立」に向かわせていた。それに感動した映画監督はその姿をカメラで追ったのだという。

 おそらく、一人で生活するという自活する姿を「自立」と捉えてしまう障害者の側にも問題があるのだと思う。それが障害を持つ者と持たない者の人間的な等質性を歪めてしまい、障害者の特異性だけを際立たせてしまう。しかし、それよりもここで問題になるのは映画監督の「ひとりよがり」の判断が「50歳寿命説」という愚説をサイドから強烈に肯定しているという事実だ。そして、映画監督自身はこの問題を露も感じていない。

 まず「脳性麻痺」という障害名だ。現在では脳性麻痺は、むしろ症候群と呼ばれるべきだとされるほど、その症状は多岐に分類されている。つまり一つの障害名ではないことになる。極言してしまうと「盲腸炎」と「心臓病」は内臓疾患だから寿命が短いという訳の分からない説がまかり通っていることになる。「障害者」というフィルターは簡単にそう見ることを許してしまう。

 単純に呼び方にしたところで、「脳性麻痺」「脳性小児麻痺」「小児麻痺」「ポリオ」、これらをはっきり区別できる人が何人いるだろうか。たとえ医師や、行政の福祉担当者であったとしても、これらをはっきり区別して使っている人は少ないというのが実情だろう。そういう、あやふやな言葉で、かなり重大な物事が断定されてしまう。これも障害者を「見る」世界ではよくあることだ。

 そして、この記事を「発見」して、読まされてしまうという問題もある。パーセンテージは少ないにしても、脳性麻痺と呼ばれる障害を持つ人間は万単位で存在する。そこには親もいれば兄弟もいる。それらの不要な通説を読まされた人々が平静でいられるかどうか。少なくとも、このでき上がった映像だけに浮かれて発表されたようなニュースの文章に、これらの人々に対する心遣いは感じられない。「家や施設を出たがる障害者には理由があった」だけで意味は通じるはずなのだが。

 映画監督にしてみれば、こんないい作品ができたので多くの人に見てもらいたい、というだけのことだったのだろう。そこには、ボランティア精神にも似た作品への使命感もあったのだと思う。ただ自己満足を超えた「ひとりよがり」がそこになかったか尋ねてみたい。

 それにも増して、テレビにしろ映画にしろ障害者の「日常」を撮れば感動できるという風潮、そろそろ終わりにしませんかねえ。みんな一生懸命生きていて、何がしかの感動があるのは当然なんだから。

 と、ここまで書いてきて、はたと困ってしまった。この文章、自分では満足しているけど、けっこう「ひとりよがり」なんじゃないかと。不快に思われた方、ごめんなさい。

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