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やっぱり風呂が好き

風呂が好きである。おそらく日本人の中で「私は風呂が大嫌いで」と挨拶できる人間は少ないに違いない。家庭風呂はともかく、銭湯、温泉、露天風呂とあげて、広い湯船で手足を伸ばすあの安堵感は、何物にも代えがたい気さえしてくる。お年寄りならずとも「極楽、極楽」と定番の言葉を吐きたくなってしまう。まさしく一日一回の「癒し」だ。

ところが、そんな愛すべき風呂であるが、見方を変えるとたちまち危険がいっぱいの要注意ゾーンに変貌してしまう。脳にせよ心臓にせよ、急激な温度変化は命に関わる疾病の引き金になりやすいし、濡れた床は転びやすく、また残したお湯での幼児の事故も常に注意していなければならない。この風呂の合わせ持つ明と暗の違いは特別だ。

とは言え、夏に汗を流す時も、冬にじっくりと温まる時も、その後の風呂上りの快感を含めて、生活の中での喜びとして入浴は楽しみたい。だから、障害を持っていたり、寝たきりになった人が入浴する場合には、その快楽が大きいが故に、得ようとしたり与えようとする労苦も大変なものになる。介護の場面でも入浴は常にある難題だろう。

しかし、考え方を変えれば、この難題があるからこそ、それを補おうとするユニバーサルな道具も多く生み出されてきている。安心で安全で誰もが楽しめる風呂。濡れてもすべらない床、体を支える手すり、体をそのまま浴槽に運んでしまうリフトなどなど、欲しいと思った機能が、実際に形になって、今、新しい浴室が作り出され始めている。

これは何も障害者やお年寄りのためばかりのものではない。風呂掃除から解放する自動洗浄システムや、お湯張りや排水をリモコンで済ませてしまえる音声ガイド付きシステムなど、極楽を文字通りの極楽に代えてくれるユニバーサルな快適風呂が登場してきている。こんな道具を使えば使うほど、よけいに風呂が好きになるのである。


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